再生医療は、関節軟骨を含めた関節構成体の修復を促進する作用があり、ひざの痛みを和らげる効果が期待できます。
■ヒアルロン酸注射にはどんな効果がある?
ヒアルロン酸とは、関節の周りを満たしている関節液の主成分で、ひざにかかる衝撃の軽減や、ひざ関節の動きを滑らかにする潤滑剤のような役割があります。しかし、加齢によって関節内のヒアルロン酸は徐々に減少していきます。ヒアルロン酸が減ることでひざへの負担が増え、ひざ関節の動きも悪くなり痛みが生じるようになるのです。ヒアルロン酸注射は、この不足したヒアルロン酸を注射で補うことで、ひざ関節の動きを滑らかにし、痛みの軽減が期待できる治療です。
■ヒアルロン酸注射が効かない原因として考えられること
実際に診察をしていないのではっきりとしたことは申し上げられませんが、ヒアルロン酸注射が効かない原因としては、下記のような理由が考えられます。
- ①ヒアルロン酸がうまく注射できていない
- ②痛みの原因が違う場所にある
- ③変形性膝関節症が進行している
- PRP治療
- 幹細胞治療
本来ヒアルロン酸は関節包(関節を包んでいる袋で、ヒアルロン酸を主成分とした関節液で満たされている)の中に注射するのですが、誤って関節包の外に注射されてしまうと効果が感じられないばかりか、激痛を伴うことがあります。
ひざの痛みの原因が関節ではなく、筋肉や腱など他の場所にある場合は、ヒアルロン酸注射をしても効果が感じられません。
ヒアルロン酸注射は初期の変形性膝関節症によるひざの痛みを軽減する効果が期待できます。しかし、症状が進行すると軟骨の損傷が激しくなってくるため、ヒアルロン酸注射をしても軟骨が保護しきれず、痛みに効かなくなってきます。
①の場合は正しくヒアルロン酸注射を行えば効果が感じられる可能性があります。
②の場合は痛みの原因を特定したうえで、原因に合わせた治療をする必要があります。
③の場合は、当院の再生医療が適応となる可能性があります。
■ヒアルロン酸が効かなくなったひざへの再生医療の可能性
再生医療は、ヒアルロン酸注射が効かなくなった進行期の変形性膝関節症にも効果が見込める治療法です。当院ではPRP治療と幹細胞治療を行っています。事前に採血や脂肪採取の必要がありますが、治療は製剤の注入のみで、膝関節手術や入院の必要はありません。
PRP治療は、採血した血液から血小板を含む液体のみを抽出し、ひざに注射する治療法です。血小板には組織の修復を促す物質が含まれており、ひざに注射することで、痛みを軽減する効果が期待できます。当院では、PRPから組織の修復を促す成長因子のみを抽出、濃縮したPRP-FDを採用しています。
幹細胞(ASC)治療は、脂肪組織から幹細胞を抽出し、ひざに注射する治療法です。幹細胞とは、将来さまざまな細胞に変化することができる「細胞の赤ちゃん」のようなもので、細胞の新陳代謝で重要な役割を担っています。幹細胞は膝関節内に注射することで、抗炎症作用や疼痛抑制効果、ダメージを負った組織の修復が期待できます。当院では、より多くの幹細胞を膝関節に投与できる、培養幹細胞治療を採用しています。
■まずは一度診察を
再生医療当は高額とのイメージがあるかと思いますが、それだけに、事前の適応診断は非常に重要です。当クリニックの初診では、MRIでひざのご状態を詳しくお調べし、再生医療の適否の診断と、適応がある場合は具体的な治療方針についてご提案させていただきます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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