情報提供医師

黒木 健文(福岡ひざ関節症クリニック 院長)

医学博士/日本整形外科学会認定 専門医

黒木医師の詳しいプロフィール

変形性膝関節症の治療で使用する注射の種類について教えてください。

変形性膝関節症の治療を調べると、ステロイド注射やヒアルロン酸注射、ブロック注射、トリガーポイント注射など、さまざまな種類があるのですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

ステロイド注射、トリガーポイント注射、ブロック注射には除痛効果が、ヒアルロン酸注射には除痛効果の他に膝の動きを滑らかにする効果が期待できます。

■ステロイド注射

ステロイド注射は、痛風や偽痛風、リウマチなど、主に全身疾患に伴う膝の炎症に適用されます。抗炎症作用と鎮痛作用があり、軟骨のすり減りによる滑膜の炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。ただし、軟骨や靭帯などの関節成分を修復する作用はありません。また、強い薬剤のため、副作用を考慮し、回数や期間は制限されます。

■ブロック注射/トリガーポイント注射

痛みを感じる部位の神経や筋肉の周辺に局所麻酔を注射し、一時的に筋肉の緊張と神経の興奮状態を抑えます。これによって痛みを緩和します。
ただしステロイド注射同様、関節成分の修復など、痛みの根本的な解決にはなりません。

■ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸は、正常な膝の軟骨や関節液に含まれる潤滑作用(関節面の摩擦を減らす)を有する成分です。ヒアルロン酸注射は、膝の潤滑作用を高めることによって痛みを和らげてくれます。変形性膝関節症の痛みに対し、一時的な効果が期待できますが、関節成分に対する修復作用は期待できません。

■関節成分の修復が可能な方法は?

ステロイド注射、ヒアルロン酸注射は、炎症を鎮め、痛み軽減することを目的とした治療法ですが、関節成分の修復を目的とするものではなく、変形性関節症の進行を抑える治療にはなりません。
当院がご提供するのは、ダメージを受けた軟骨などの膝関節成分の修復を促す可能性のある二つの新しい治療です。
一つは、血液に含まれている、組織の修復を後押しする成長因子などを抽出し濃縮した「PRP-FD」をひざに投与する治療です。
もう一つは、これと同様の作用を持つ因子を分泌する細胞(幹細胞)を脂肪から取り出して培養し、損傷した関節組織に(注射)投与する培養幹細胞治療です。
関節が本来備えている自己修復能を促すこれらの治療は、痛みを長期間和らげる抗炎症作用を併せ持つことから、ダメージを受けた関節の機能を改善すと同時に疼痛を緩和することが期待できます。[1][2]

関節に対する手術は必要なく(注射)、低侵襲であることも大きな魅力です。

■当院の治療

当院では、MRIなどの画像データと、整形外科的な診察で関節の状態を見極めます。その上で、これらの二つの治療法の適応を慎重に検討し、最善の治療をご説明いたします(場合によっては二つを組み合わせた治療も提供しています)。
ヒアルロン酸注射など従来の治療で改善が見られない方は、ご来院予約よりお気軽にお問合せください。

 

 

 

[1]Hesham El‐Sharkawy, et al. Platelet‐Rich Plasma: Growth Factors and Pro‐ and Anti‐Inflammatory Properties. Journal of Periodontology; 2007. Volume78, Issue4, p661-669. 

[2]Pers YM, et al. Adipose Mesenchymal Stromal Cell-Based Therapy for Severe Osteoarthritis of the Knee: A Phase I Dose-Escalation Trial. Stem Cells Trans Med 5:2016. 847-56.

お気軽にお問い合わせください

まずは、お気軽にご相談ください。

お電話でのお問い合わせ

【ひざの痛み専門】
無料でんわ相談・来院予約

0120-013-712

無料でんわ相談・来院予約

電話受付時間
9:00〜18:00

電話受付時間 9:00〜18:00(年中無休/完全予約制)

お気軽にお問い合わせください

0120-013-712

電話受付時間 9:00〜18:00(年中無休)完全予約制

年末年始の休診日のお知らせ/福岡:1/1(水)~ 1/3(金)

※休業期間中のご相談・ご予約につきましては、ご返信までに時間がかかる場合がございます。

ひざ関節症クリニック